リスク・リターンによる投資の分類


リスク・リターンによる投資の分類

投資には資金を失うかもしれないというリスクがつきものです。だからこそ、リスクに見合うだけのリターンが返ってくるというものです。

投資・資産運用を行うにあたり、リスクをいかに許容もしくは軽減できるかが選択のポイントのひとつです。 投資におけるリスク・リターンの程度による特徴をお伝えします。

ローリスク・ローリターン

投資した元の資金(元本)が減少する(割れる)可能性が低い、または可能性がない安全性の高い投資商品になりますが、その投資から得られる収益も少ないのがローリスク・ローリターンの投資です。

ローリスク・ローリターンに分類される投資は、定期預金などの預貯金や、国債、地方債などの債券になります。

これに分類される投資は、元本割れを起こさないと考えられていますが、途中解約した場合には解約手数料などが発生するため、この場合は、ローリスクでも元本割れを引き起こす可能性があることに注意が必要です。

大きく資金を失うことはありませんが、獲得できるリターンは、本当に微々たるものです。

ローリスク・ローリターンの投資では、時間の概念が重要な要素の一つになります。元々得られる金利や利回りがかなり低いため、それなりに資金を殖やそうと考えるのであれば、元手に対するリターンが少ない分、投資資金の割合と長期スパンで考えていかなければなりません。

ハイリスク・ハイリターン

投資と聞いて一般的にイメージされるのかこの分類と言えるでしょう。株式投資、FX、商品先物取引などがあります。

リスクが非常に高く、元本がなくなる可能性があります。また、レバレッジを効かせると自己資金以上の金額の取引を行うことができるため、最悪の場合、元本以上の損失を招くことがあります。

これらの投資は「ゼロ・サム・ゲーム」ともいわれ、利益の分に対する損失が表裏一体化しています。しかし、損をしても得をしても取引手数料というものが必ず発生するので、「マイナス・サム・ゲーム」と、皮肉を込めていわれることがあります。

これらの商品が、今ではインターネット上で取引を完結させることができるようになり、非常に便利になりました。しかし、これが最も怖いことだと思います。パソコンの画面上に表示される数字を確認する作業となり、現実の世界と区別がつかなくなることがあるからです。

勝っている状態の時は良いのですが、損失の大きさの現実を受け入れがたく、人生まで狂わせてしまう可能性も秘めています。

何倍のレバレッジで取引するかは個人の自由なのですが、損失が出たときのリスクを十分に理解してから取り組む必要があります。 初心者の間はレバレッジを1倍以下にして取引することを推奨します。

ミドルリスク・ミドルリターン

最後は、ハイとローの中間、ミドルリスク・ミドルリターンの投資です。

投資という観点からすると、それなりのリスクはありますが、それなりのリターンが返ってくるというバランスの良い投資と言えます。

もちろん元本割れの可能性はありますが、急激な価値の低下は起こりにくく、比較的安定した運用を行うことができます。

この特徴を持つ代表的な投資としては、不動産投資、バランス型の投資信託があげられます。

バブル崩壊以前の不動産投資と言えば売却益(キャピタルゲイン)を狙う投資方法が主流でしたが、現在では賃貸収入(インカムゲイン)で利益を獲得する方法に切り替わって、中長期的に継続したリターンがあるスタイルになっています。

不動産投資と言うと物件を購入するための資金力が必要というイメージがあると思います。

物件購入のためにローンを組むことは、自己資金以上のお金を借りて投資することになるので、レバレッジをかけていることと同じになりますが、ローンの返済費用を賃貸収入で賄うことができ、返済が終了した後は対象の不動産が自分の資産として残ります。

もちろん、手数料や空室リスクなど様々なデメリットはありますが、自分の努力次第で低下させることが可能です。

そのためには、月々や年間での収支計画は非常に重要です。しっかりと計画を立てて投資をすれば着実に利益を追求できる投資と言えるでしょう。

他にもREITや小規模不動産特定共同事業などを利用する方法もあるので、別途、ご紹介します。